音遊び日記

ハードウェアとソフトウェアの両面から”音”で遊んだ事を備忘録として書いています。

FPGA買ってみた ~無料版Quartusのインストールとプロジェクト作成~

1.はじめに

amazonでこちらのFPGAを購入しました。導入に色々苦労したので書きます。それにしても安いですね。。。

 

 

 

WINGONEER ALTERA FPGA Cyslonell EP2C5T144最小システム学習ボード開発

WINGONEER ALTERA FPGA Cyslonell EP2C5T144最小システム学習ボード開発

  • 出版社/メーカー: WINGONEER
  • メディア: エレクトロニクス

 <19.6.14 追記>

なおこちらのボードの取り扱いには注意点があります。詳しくは下記参照

激安FPGA(WINGONEER Cyslonell EP2C5T144)の回路図と取り扱い注意点 - 音遊び日記

 

しっかりした開発ボードだったら大体はそのボードに直接つなげるようになっていますが、これは余計な回路を省いているためFPGAとPCをつなぐにはUSBブラスターというものが必要になります。

 

ALTERA USB Blaster互換JTagケーブル [並行輸入品]

ALTERA USB Blaster互換JTagケーブル [並行輸入品]

 

 これを使ってUSBとJTAGを変換します。接続可能なピンが二つありますが下図のピンに付属のケーブルを介して接続します。

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2.Quartusのインストール

次に開発環境の導入です。このボードに乗っているFPGAはALTERA社のCycloneIIEP2C5T144というチップで、ALTERA社の開発環境はQuartusというソフトです。無料バージョンは以前はweb editionと呼んでいたようですが、現在はprime lite editionが無料バージョンです(インテルに買収された事と関係あるのかな?)

ダウンロードは

Download Center

にアクセスしてcycloneⅡに対応したバージョンをダウンロードします。私は13.0sp1を選びました。この時、ダウンロードマネージャを使うとAkamaiとかいうソフトをダウンロードさせられて手順が複雑になります。ダイレクトダウンロードを選択しましょう。全部のファイルをダウンロードしなくていいと思います。

私がダウンロードしたのは、

「Quartus II Software (includes Nios II EDS) 」

「ModelSim-Altera Edition (includes Starter Edition) 」

「Cyclone II, Cyclone III, Cyclone IV device support (includes all variations) 」

「Quartus II Help」

の4つです。

続いてインストールですがそんなに難しい事はありません。ただインストールディレクトリにスペースが入っているとエラーが出ます。なのでprogram filesの下には置けませんでした。。。あとサイズが大きいのでめちゃめちゃ時間かかります。

 

インストールが完了したら起動します。初回起動時、ライセンスを登録するかとか聞かれるかもしれませんが、このままこのエディションを使うみたいなやつを選べばいいです。

 

3.プロジェクトの作成

Quartus起動時に、「Create a new Project」を選択します。もしくは「File」→「New」→「New QuartusⅡ Project」を選択してOKをクリックします。そうすると5段階に分けてプロジェクトの設定をさせられます。

 

1段目は作業ディレクトリとプロジェクト名、エンティティ名の設定です。1行目には作業ディレクトリを記入します。ここでプロジェクト名のディレクトリは自動作成されないので、私は概定のディレクトリに「Projects¥プロジェクト名」というフォルダを作成し、そこに指定しました。2行目はプロジェクト名、3行目はトップのエンティティ名です。好きな名前を入れられますが、二つの名前は同じにするのが一般的です。

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2.段目はインクルードファイルの選択です。以前に作成したファイルを流用したい時は選択します。何も選択しなくても問題なく進めます。

 

3段目は使用するデバイスの選択です。左上のFamilyで持っているデバイスのバージョンを選択します。次にAvailable devicesから使用するデバイスを選択します。FPGAチップの背面に書いてありますが、型番の後ろの方に余分な文字や数字が書いてあるかもしれません。完全一致しなくても大丈夫です。

 

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4段目は使用するツールの選択ですが、私のバージョンでは何も選択しない(全てNone)で大丈夫でした。

5段目で内容を確認してOKを選択するとプロジェクトの作成が完了します。

ソースファイルの作成は同様に「File」→「New」からVelirog HDL FileかVHDLファイルを選択します。それぞれ記述の仕方が異なるので、ググって自分の書きやすそうな方を選べばいいと思います。

 

4.まとめ

今回はALTERA社のFPGAの開発環境である、Quartusの導入についてまとめました。もう一つXilinx社のFPGAの開発環境であるVivadoがあり、この二社が2大FPGAメーカです。どちらの環境を選んでもそんなに大差はないと思いますが、記述言語にはVelirogHDLとVHDLがあり、どちらの製品でも両方の言語が使えますが、それぞれ特徴があります。私は会社でVHDLを使っており、練習として趣味でFPGAを始めたのでVHDLを選びましたが、好きなほうで問題ありません。

趣味でFPGAやるなんてマニアックな方だと思いますが、よく言われるのはプログラミング得意な人がソフトウェアプログラミングのノリでやり始めると痛い目に合います。あくまで記述しているのはディジタル論理回路なので始めたい人はまずはディジタル回路の基礎を勉強する必要がありますね。